現代のように文明が発達した社会で暮らし自体が大変便利になりました。お風呂を沸かすのもボタンひとつ、ご飯を炊くのもスイッチひとつ。
マッチで火を擦ることも今や日常の中になくなってしまいました。火を使う、道具を使う、そして土を耕す、種をまき水をやる。そういった人の営みの
基本はその人の生きる力=人間力に大きくかかわってくるのではないかと思います。文明の利器の最先端をいくら知っていても使いこなしていても、
そのベースになっている基本、プロセスを知らないと、それ以上の応用はできない。そんな人の根っこにあたる「基本の‟キ”」「いろはの‟い”」を
体験して知ってほしい、そのための「体験の場」としてむいむいを作りました。
私たちの身体は口にする物からできています。化学調味料や添加物などによる人体への影響は、すぐには現れませんが確実に体内に残存し様々な形で影響を及ばします。タイムラグがあるから気付けないし気付いた時には遅いのです。オーガニックの優しさに触れてみてください。当施設ではできる限りオーガニックな食材、調味料を使って心を込めた食事を提供しております。
当社は建築部門があり、以前にお寺の釣鐘堂や蔵などの改修工事に携わった経験があります。その際に未来に語り継ぎたい先人たちの知恵と工夫を目の当たりにしました。木と土と石と、朽ちた後には自然に還るものたち。それを経験を経て得た知恵と工夫で百年以上持ちこたえるものを作っていました。大量生産、大量消費の時代は終わりを告げようとしています。豊かな自然が次の時代にもつながっていくように、その物の見方を共に考えていこうと思います。
普段の生活で体験できなくなってきたこと、例えば「火を点ける」こと、「包丁や小刀を使う」こと、「炭を熾す」こと、「火吹き竹を吹く」こと、などなど。 昭和育ちの子供なら大抵の子たちがやっていたこと、昔の人々が営んできた暮らし方を「体験する場」として当施設をご利用ください。
現代の暮らしは随分と便利で快適になりました。お風呂はボタン一つで沸くし湧きあがったら音声で知らせてくれる。でもその一方でお風呂を沸かすというプロセスを知らない。大根はスーパーに並んでいるもので、そこまでのプロセスを知らない。鉛筆は鉛筆削りで削るけれど鉛筆を削るということの本質を知らない。プロセスや本質を知らない者はいくら文明の利器を使いこなせてもその利器が使えなくなった途端にお手上げになる。電気が停まった、水が止まった、じゃあどうすればいいのかという知恵がない。本質を知らないものは応用が利かない。これは人が生きる力だと私たちは考えます。生きる力=生活力=人間力。これをアクティブラーニング(体験)を通して学ぶきっかけになれればと思います。
生活が便利になり、社会は豊かになりつつあるように見えますが、果たして本当にそうでしょうか。本当の豊かさとは何か、私達はなにの上に立っているのか、本来の人間のあり方をもう一度見つめ直してみませんか。
出来るだけオーガニックで地元の食材にこだわった食事を提供しています。化学調味料や添加物を使った食材での食事とむいむいのこだわった食事との違いを体感して頂けると思います。食後の胃の軽さ、負担のない優しさなどを指摘される方が多いです。
世の中の便利さの陰ですっ飛ばしてしまっているプロセスを紐解くことで見えてくる“当たり前”のこと。一昔前の時代に育った人から見れば「当然」のこと、例えば「水は高いところから低いところに流れる」といったような、ごく当たり前な道理を改めて見つめなおす時間になることと思います
種まきや水やり、収穫などを通して育むこと、そのプロセスを体験していただけます。農に限らず、火を操ること、調理すること(包丁で切る、煮炊きする)、自分のことを自分がすること(自立)を体験することで日常にちりばめられている様々なことに対するものの見方の新たな視点を持つきっかけになります。
「こうしたらどうなるのか」、例えばマッチで火を点ける、じっと持っていたらやけどするだろうという推測、マッチを擦るとき力加減を推測してみる、そのような些細な行動の中から推測する力、そのあとを洞察する力、つまり自分で考える力を養うことができると思います。
手仕事などのいろいろな体験を通じて、作る楽しさや、時間や物を大切にする気持ち、豊かな暮らし方などをお伝えしたいと思っています。
建築の仕事を通して循環可能な社会の必要性を痛感してきました。ここではすべてがつながっていることに気づく場でありたいと思っています。